「Why?数の不思議あそび」刊行にあたり
編集部より
「Why?数の不思議あそび」の著者、北川惠司さんにお会いしたのは、2005年11月のことであった。人からの紹介で「数あそびの本をまとめたい人がいるから、相談に乗って欲しい」ということだったのだ。数あそび?どうなんだろう?チラッと疑問を感じたが、託された原稿を読んでみた。北川さんがコツコツと「ビルメンテナンス」という月刊誌に連載してきた「なぜ?どうして?数の不思議」全76回分である。
読んでいるうちに、「これは、素敵な本になるかも知れないぞ」という手応えを感じ始めていた。連載は9回目までは1頁、10回目以降は見開き2頁立てで、いずれにしろ、1話が読みやすいボリュームなのがいい。なかには、ハノイの塔や、フォア・フォーズなどよく知られた問題もあるが、大部分は北川さんのオリジナルな数遊びの問題なのが嬉しかった。小学校高学年から中学生ぐらいの学力で十分読みこなし、手を動かして楽しめる問題ばかりである。読者は、数の四則演算のなかに隠れている興味深いメカニズムをご自分で発見できるのである。
しかし、本書の面白さはそれだけではない。今回、制作した本について一言しようと思いついたのも、これから述べる特徴があったからである。
各トピックスは、問題の提示があり、例を調べ、種明かしとなるのだが、それで終わらない話題が半分近くあるのだ。即ち、問題が発展し、我々にさらなる思考をうながしてくれるのである。問題が開かれているのだ。したがって、数学が好きな方にも、最適な練習ができるということを読みつつ、考えつつ、式を立てつつ、確信した。
例を挙げよう。「初めの3桁の数が、また現れる」。
1) 初めの数として例えば701を考えよう。
2) 701に続けて同じ701をくっつけた形を考える。701701
3) 701701を7で割る。
701701÷7=100243
4) さらに11で割る。
100243÷11=9113
5) 13で割る
9113÷13=701
あっ!初めの3桁701が出てきた。
なぜ?どうして?
もちろん、そのメカニズムは、容易であろうが、楽しい。しかも、これを4桁にしたら?5桁にしたら?とイメージがふくらむ。まさに私たちは、数あそびから数学の世界へと足を踏み入れているのだ。そこがこの本のもう一つの魅力だと思う。中には、拡張すると手ごわい問題になるものがあるので、ご用心。
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北川さんの漂々として、数の不思議を探求するエネルギー全開ぶりについては是非本書を手にとって見て頂きたい。それも、従来の数学書とは一味も二味も違う魅力である。
また、各方面で活躍されている画家・山本美智代さんに装丁を引き受けて頂いたのも、嬉しいことだった。画面を見ればお分かりのように、数が踊り出して、心をワクワクさせるようなデザインである。山本さんは本書の制作の当初から係わって下さり、全体の姿を整えるべく、細部に亘って目を光らせてくれた。こうして4月10日、「Why?数の不思議あそび」は刊行された。専門書の多い小社にとって、本書は幅広い読者を対象とする数の一般書である。小学生から、社会人、シニア世代までの、多くの読者の手に届くことを願っている。 |